気候変動の脅威が深刻化する中、洪水リスクの世界的スペシャリストであるFathomが
One ConcernのRaaSソリューションに対して重要なインサイトを提供
2021年9月29日、カリフォルニア州メンローパーク – One Concern, Inc.(本社:米国カリフォルニア州、以下「One Concern」)は、洪水リスクの世界的スペシャリストであるFathomと連携し、RCP 4.5シナリオに基づく将来の内水氾濫、河川氾濫、海面上昇を予測する最先端の洪水モデルを日本向けに開発することを発表しました。One ConcernとFathomの連携により、高頻度で生じる洪水から低頻度でも大きな影響を及ぼす洪水までそのリスクを網羅的にカバーするアプローチが確立されます。また、企業は洪水リスクシナリオに関する実用的で幅広いデータセットにアクセスすることで、近年頻度や深刻度が増しつつある気候の脅威を特定、モデル化し、そうした脅威に備えることが可能になります。
Fathomからは、現在および将来の気候データシナリオに基づく洪水データを含む洪水ハザードデータが提供され、One Concernは日本向けのRaaS(Resilience-as-a-Service:サービスとしてのレジリエンス)ソリューションを構築します。そして地域や企業が直面するリスクをそれぞれの意思決定者が理解できるよう、洪水予想などの気候モデルを提供します。
Fathomのモデルは、東京大学生産技術研究所グローバル水文学グループの一部である全球地陸水動態研究室のデータを活用しています。Fathomは東京大学の研究者と長期に渡って関係を構築しており、中でも山崎大准教授とは水文学に関する多くの論文を共同執筆しています。こうした長年の協力関係によって、山崎准教授による日本域表面流向マップをモデルに組み込むことができました。
Fathomがモデル化のために提供するデータは日本全体をカバーしており、河川氾濫、内水氾濫および高潮による洪水における洪水ハザードデータを網羅しています。国内の広範囲に及ぶ河川水位計ネットワークを活用しながら、Fathomは過去に遡って蓄積された業界屈指の洪水ハザードデータに、自社独自の高度なテクノロジーを組み合わせています。例えば、市場をリードする同社の堤防データの推定アルゴリズムとそれに基づく堤防データでは、ユーザーは洪水対策が行われている場所とその影響を把握することができ、そこに市街化の度合いを織り込むことでオリジナルのモデルが作成されます。日本には世界の中でもトップクラスに防災対策が進んでいる都市が複数存在し、相互依存やインフラのネットワークが複雑に絡み合っているため、洪水リスクに対するレジリエンスを評価する上でこうしたアプローチが極めて重要になります。
One Concernの共同創業者兼最高技術責任者(CTO)であるニコール・フー(Nicole Hu) は次のように述べています。「今回のFathomと連携により、同社の洪水モデルに関する専門知識が発揮されることをとても嬉しく思います。世界が海面上昇や頻発する異常気象に直面する中、我々は日本全国の企業や自治体が、特に洪水リスクなど、深刻化する気候変動の脅威に対するレジリエンスを確立できるようにすることを目指しています。当社の日本における洪水モデルのパートナーとして、Fathomが洪水などの気象災害に関して最も包括的な視点を提供することで、One Concernのソリューションが一段と強化されます。この結果、意思決定者が気候リスクを理解し、それに備える際の不確実性を低減させることが期待されます。」
Fathomの洪水ハザードデータは、過去数十年間に渡る研究と、業界におけるリーダーシップ、大学との協力の結集です。学術界との協力により、Fathom独自の洪水モデル化手法は継続的に検証されています。「Water Resources Research」誌に掲載された最近の論文では、Fathomのデータの元となる手法を評価した結果、沿岸地域の周期的な動きと高頻度の事象をシミュレーションをする同社のモデルの能力が全体的に大幅に改善されていることが明らかになり、Fathomのモデルアプローチがより機能的で洗練されていることが示されました。
FathomのCEOであるスチュワート・ホイットフィールド(Stuart Whitfield)氏は次のように述べています。「One Concernとの連携により、同社の人工知能(AI)を活用したレジリエンスソリューションおよび災害リスク軽減のためのテクノロジーに、当社は重要なインサイトを提供します。企業や自治体の意思決定者が気候変動の脅威を理解し、それに備えられるようにするためには、今回の連携は極めて重要であると考えています。当社の洪水リスクを理解・管理する比類のない手法により、災害の被害を軽減するというOne Concernのミッションを支援できることを光栄に思います。」
One Concernについて
スタンフォード大学の学際的研究プロジェクトから生まれたOne Concern(ワン・コンサーン)は、「あらゆる災害による被害を最小化すること」をミッションとして掲げています。災害科学とAI/機械学習を融合することで、大規模災害などによる被害からのレジリエンス(対応力)を定量化し、自治体や企業が自然災害のリスクを評価、軽減、または移転する際の意思決定を支援するRaaS (Resilience-as-a-Service; サービスとしてのレジリエンス)ソリューションを提供しています。
Fathomについて
Fathomは2013年に設立され、研究に裏付けられた世界的な洪水モデル化事業を手掛ける唯一無二の企業であり、受賞歴のある最新科学を応用し、洪水リスクの管理と低減における新しいベンチマークを定めています。最先端のテクノロジーと最新データを活用することで、世界中のパートナーに対し、リスク評価、気候変動分析、レジリエンス管理のための詳細な洪水予測モデルを提供しています。Fathomは保険・再保険や建築・土木といったさまざまなセクターに対し、企業のリスク管理、環境保護、災害対応に必要な洪水リスク情報を提供しています。
詳しくは、Fathomのウェブサイトをご覧ください:http://www.fathom.global
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